更新日:2022/09/02
自分で調べるのは面倒だけど、お金に関わることだから知っておきたい。
そんな不動産にまつわる税のギモンを、税理士法人FP総合研究所の税理士さんに答えてもらいました。
Q1.
今住んでいるマンションを売って、新築マンションに住み替えます。
住み替えでマンションを売るときの税金について教えてください。
A.
マイホームの売却に関する税制については選択肢がいくつかあります。売却時に利益となる場合と、損失となる場合において選択できる税制(制度の内容や適用要件はページの都合上、省略します)が異なってきます。下記のそれぞれのケースの特例判定チャートを掲載します。
Q2.
転勤で所有するマンションを賃貸に出しました。税金の面で気をつけることを知りたいです。
①
住宅ローンがあります。いわゆる住宅ローン控除の適用は可能でしょうか。
A.
住宅ローン控除は、いうまでもなく、ご本人の住宅の用に供している場合(当該年の年末において居住)にのみ適用できます。したがって、転勤等で転居した場合には、その転居した年分以降の住宅ローン控除の適用はできません。
しかし、転勤等のやむを得ない事由で、その住宅に居住できなくなった後、再びその住宅に居住できるようになった場合には、再入居の年(その住宅を賃貸の用に供していた場合には、再入居の翌年)以後の各適用年(控除期間の残年数)について住宅ローン控除の再適用が認められます。
②
所得に関する税金で気をつけることは?
A.
転勤でご自宅のマンションを賃貸に供した場合に、税金面で上記①以外で気をつけることは、その賃貸料収入において所得税の確定申告をする必要が生じることがあります。
まず、賃貸料収入については、所得税の計算上、『不動産所得』として所得を計算し、給与所得等と一緒に確定申告をしなければなりません。
不動産所得の計算方法は、『賃貸料収入』から『必要経費』を控除して計算します。
『賃貸料収入』とは、そのマンションを賃貸に提供し得る収入の合計額をいいます。
例1)契約時の礼金、契約更新時の更新料、家賃等の1年間(1月分から12月分まで)の合計額をいいます(敷金、いわゆる保証金は預かり金のため収入とはなりません)。『必要経費』とは、そのマンションを賃貸に適用するために要した経費の額をいいます。
例2)マンションに係る管理費・共益費、固定資産税、借入金利息、そのマンションの購入時の資料から計算する減価償却費などの合計額をいいます。
もし、『不動産所得』がマイナスになった場合には、一定の要件(注1)のもと、他の所得との損益通算が可能です。
また、賃貸に供した場合にすべての方が確定申告をしなければならないかというとそうではなく、上記の不動産所得が20万円以下で一定の要件に該当する方(注2・注3)は、確定申告は不要となります。
注1:
不動産所得の計算上、生じた損失のうち土地等を取得するために要した負債の利子(借入金利子)の額の相当分のうち次の金額は損益通算の対象となりません。
A:土地等の負債利子相当額①>不動産所得の損失額②のとき・・・・・・②の金額
B:①≦②のとき・・・・・・①の金額
※土地等と建物等を一括して取得して借入金が区分されていないとき、その取得のための負債は、まず建物の取得に充てられ、次にその土地等に充てられたものとして、その負債利子の計算を行います(納税者有利)。
注2:
その年中の給与等の収入金額が2,000万円以下で、次のAまたはBに該当する者。
A:給与等を1か所から受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の者。
B:給与等を2か所以上から受けている人で、次のⓐ又はⓑに該当する者。
ⓐ従たる給与等の収入金額と、給与所得及び退職所得以外の所得との合計額が20万円以下の者。
ⓑ給与所得の収入金額の合計額が所得控除額の合計額(医療費控除、寄付金控除、基礎控除、雑損控除を除く)に150万円を加算した額以下の金額で、かつ、給与所得及び退職所得以外の所得の合計額が20万円以下の者。
注3:
その年中の源泉徴収対象の公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である者。
※この記事の内容は2022年4月時点のものです。
※税制の適用要件や内容の詳細については、所轄税務署、税理士等にご相談ください。
協力:
税理士法人FP総合研究所
常務理事・税理士 高田隆央氏
WEBサイト↓
https://www.fp-soken.or.jp/