更新日:2022/10/11
いざという時に慌ててお葬式の準備をすると、思いがけない壁にぶつかることがあります。その一つが「どういった宗教形式でお葬式を行うのか」という問題です。そもそも付き合いのある宗教者がいない、家の宗教が何かも分からない、代々お世話になっている宗教者はいるが連絡先が分からない...。ご家族できちんと把握しておかなければ、お葬式だけでなくその後もトラブルを抱えることになってしまうかもしれません。
お葬式を進めるにあたって、まずは宗教者を呼ぶか否かを決める必要があります。代々お付き合いのある宗教者(寺、神社、教会など)がいる場合は、その宗教者に依頼するようにしましょう。最近では、宗教者を呼ばずに行う≪無宗教≫でのお葬式も増えていますが、今回のコラムでは宗教形式に則ったお葬式についてお伝えします。
①お付き合いのある宗教者がいるか確認しましょう
代々お世話になっている宗教者がいる場合は、宗派(浄土真宗、真言宗など)・名前(〇〇寺、〇〇神社など)・連絡先・所在地を改めて確認しておきましょう。親世代が中心に付き合いをしていると、子世代は把握できていないこともあります。「知っているだろう」と決めつけず、情報を共有することが重要です。
宗教者との付き合いはないが、宗教形式に則ったお見送りをしたいとう場合は、葬儀社に紹介してもらうこともできます。その場合でも、どこの宗派を紹介してほしいのか明確にしておく必要があります。
②お葬式の後について考えてみましょう
お葬式後の供養は、式で行ったお見送り方法を基準とします。仏教形式でお見送りをした場合は7日毎に宗教者を呼んで法要を行います。無宗教形式でお見送りをした場合は、仏式のような形式上の区切り(法要)が設けられずにご家族の采配に委ねられる、といったイメージです。個人の価値観にもよりますが、宗教者を呼んで弔いをすることに安心感を抱かれる方もいるでしょうし、自分が望む形で好きな時に弔いをしたいと思われる方もいるでしょう。お見送りやお参りの方法には、絶対的な正解はありません。ご家族で話し合って決めましょう。
③お墓・納骨先について確認しましょう
宗教者を呼ぶか否かの決定権はご家族にありますが、お墓の所在によっては注意が必要です。代々のご遺骨を納めている先が寺院墓地(各宗派のお寺によって管理・運営されている墓地)の場合は、その寺院の檀家となっている可能性があります。ご家族の独断で無宗教形式でのお葬式を行ってしまうと、納骨をする際に断られてしまう可能性があります。ご事情があって無宗教形式でお見送りをされたい場合でも、きちんとその旨を事前にお知らせして相談するように心掛けましょう。なかには、宗教宗派不問のお墓や納骨堂もあります。納骨先を検討する際には、その管理元や利用規定について確認しておくと安心です。