更新日:2022/12/01
お葬式のことを考える上で、宗教は重要な要素です。前回は、宗教に則った形式でのお葬式についてお伝えしましたが、今回のテーマは「無宗教のお葬式」です。
最近では、日頃から宗教者との付き合いがない、形式にとらわれず自由なお見送りをしたい方などが無宗教のお葬式を希望されることが増えてきました。
お葬式の宗教を考える上では、葬儀後のことまで考えて決めることが大切です。無宗教のお葬式の注意点、進め方などをご紹介します。
本当に無宗教のお葬式をしてよいか考えましょう
先述したように「日頃から宗教者との付き合いがない」場合でも、お話をお聞きすると「以前は〇〇寺にお世話になっていたけど、今は疎遠になっている」「私は分家だから仏壇もないけど、遠方にある本家はお寺と付き合いがある」という方は意外と多いです。
無宗教でお葬式をした後に、疎遠になっていたお寺や親戚から苦言を受ける可能性もあります。
葬儀後に家族が困ることのないよう、事前に周囲にも理解をいただいている方が安心です。
宗教に則った形式であれば、仏教なら読経や焼香、神道であれば祝詞や玉串奉奠などある程度式次第が決まっています。しかしながら、無宗教の場合は何も決まりがないため自由に決めることができます。逆の言い方をすると、自分たちで何をするか決めなければなりません。
お葬式で何をしますか?したいことはありますか?
葬儀社に相談すると、より具体的に考えることができます。いくらしたいことがあっても、その葬儀社が対応できるのか確認もできますし、新たな提案をしてくれることもあるでしょう。したいことは特にないという場合でも、その葬儀社の過去の事例などを聞くとイメージしやすくなると思います。
無宗教のお葬式での例としては、生演奏、献奏、映像や写真で思い出を振り返る、参列者が手紙を読む、献花などがあります。
お葬式だけでなく、葬儀後の弔い方にも決まりがありません。仏教のように忌明け(四十九日)、一周忌といった法要が決まっていないため、命日に親族が集まって食事会をするなども考えておくとよいでしょう。
また、仏壇やお墓についても同様です。お持ちのお墓が境内墓地などお寺が運営する場合は注意が必要です。そのお寺の檀家でないと納骨できない場合があるからです。境内墓地の場合でも宗教宗派不問のところもありますが、事前に確認しておくとよいでしょう。
宗教の問題はお葬式だけでなく、葬儀後のご家族の生活や付き合い方にも影響する大切なことです。
ぜひご家族や大切な方とも事前に相談し、意識を共有できるとよいですね。そして、お葬式の具体的な希望が決まれば、エンディングノートに記入しておきましょう。
当コラムでは、終活のなかでも【お葬式】について詳しくご案内します。次回のテーマは「葬儀費用」