
平安遷都以来およそ1100年の間、日本の都であり、
文化・芸術の中心地であった京都には、数多くの名画が残っています。
狩野派や長谷川等伯、伊藤若冲ら絵師が、
由緒ただしき寺院の障壁画等に描いた作品は、通常は非公開。
これら非公開の文化財が期間限定で特別公開されています。
京都市内の15寺院において、日本美あふれる建築空間のなか
いにしえの貴人のように、さまざまな作品が楽しめます。
なかでもおすすめの3古刹をご紹介。
※期間、時間、料金は寺院により異なる場合もあります
建仁寺 両足院
臨済宗建仁寺派の塔頭寺院では、道釈画家である七類堂天谿氏が2014年の建仁寺開山・栄西禅師の八百年大遠諱を機に描いた方丈障壁画が全面完成するのを記念し、本作が初披露されます。 同時に長谷川等伯の「水辺童子図(みずべどうじず)」や「竹林七賢図(ちくりんしちけんず)屏風」のほか、伊藤若冲(じゃくちゅう)の「雪梅雄鶏図(せつばいゆうけいず)」( 2月1日~25日の展示)が特別展示されます。
お茶と酒 たすき
生ゆばと小豆の黒蜜きなこかけ(1400円)など、質のいい和素材を組み合わせた甘味がおいしい。 京都ならではの煎り番茶を漬け込んだウイスキーを使ったハイボール(1100円)は、スモーキーな香りが鼻をくすぐる贅沢な味わい。ゆったりとした時間を過ごせる。
智積院
真言宗智山派の総本山。長谷川等伯とその子・久蔵(きゅうぞう)が描いた、桃山時代を代表する絢爛たる国宝の障壁画、「桜図」「楓図」を所蔵。今回、特別公開される宸殿(しんでん)は、賓客を迎える建物で、京都画壇の巨匠・堂本印象が金地に豊かな色彩で描いた「婦女喫茶図」や「松桜柳の図」など色鮮やかな障壁画で飾られています。
kaikado café
銅やブリキ、真鍮で作る手作りの茶筒の老舗・開花堂が営むカフェ。市電のもと車庫をリノベーションした古くて新しい空間で、ベーカリーや製餡所など、さまざまな名店とコラボレーションしたメニューが楽しめる。あんバタのトーストとブレンドコーヒーのセットは1200円。コーヒーは中川ワニ珈琲の豆を使用。
大徳寺 本坊
臨済宗大徳寺派の大本山。江戸初期建立の方丈(国宝)は8室に分かれ、内部を飾るのは同時期を代表する絵師・狩野探幽の代表作「山水図」「芦雁(ろがん)図」などの障壁画(重文)。方丈庭園は、枯山水で聚楽第の遺構と伝わる唐門(国宝)を望む南庭は、一面の白砂に深山を表す椿の刈込を背に瀧を表すふたつの大石を立てた見事な平庭です。また東庭は小堀遠州の作庭と伝えられます。
喫茶 狐庵
コーヒーと和菓子と日本酒の店。季節により素材が変わる乙女のあんみつ(700円)は、果物のコンポートや黒糖餡、コンフィチュールをトッピングしたユニークなデザート。まずは和菓子を選んで、店主との会話でドリンクを決めるという、メニューのないスタイル。写真はロゼワインのような甘酸っぱさが黒糖餡と良く合う、赤米で作った日本酒「伊根満開」(600円)。