
2度目、3度目のお出かけなら、京都らしい体験で、
ふだんとは違った発見や学びを感じるというのはいかかでしょう?
お寺での座禅は定番ですが、早朝ではなく、
夜の座禅もまた違った雰囲気が楽しめます。
また木版画で絵はがきを作ったり、個性のある手書き文字に挑戦してみたり・・・。
思い出に残るひと品が持ち帰れるのもいいですね。
綾小路通
路地裏の町家にある、木版画の工房にて、彫って、摺って、絵はがき作りを堪能できる。好きなデザインを選び、版木に写すところから自分の手で。現役の職人さんから直に手ほどきしてもらえ、不器用な人も安心してチャレンジできる。初めはたどたどしくても、ていねいに彫りすすめるうちに木の性質がつかめ、手が慣れて、いつのまにか夢中に。「好きな色をつけて刷り上がったときは達成感がありますよ」と、彫師の藪下紘可さん。摺る位置や色の濃淡を変えればまた違った仕上がりになって、そこはセンスの見せどころ。かすれやゆがみも愛おしい。摺りあがったはがき5枚と、彫った版木が持ち帰れ、帰ってからも楽しみが続く。年賀状作りにもおすすめ。
取材・文/宮下亜紀 写真/津久井珠美
版木を彫ったら糊と絵具をつけてはがきに摺る。力加減によっても表情が変わり、重ねたり、色を変えたり、楽しみが広がる
彫師の藪下紘可さんは、美大卒業後、工房に勤めて4年目。道具の使い方やコツを教えてくれる
1.サンプルから好きなデザインを選び、版木に絵を写す
2.版木を回しながら小刀や丸刀で彫る
3.色を選び、バレンで摺る
4.はがきは5枚。摺る位置や色のグラデーションを楽しんで
木版画体験教室
竹笹堂(たけざさどう)
木版画で作ったぽち袋などの雑貨を販売。体験教室は店奥の坪庭が見える部屋で。工房では歴史的価値のある古い木版画の再生も手がける。
あまいろのたい焼き
一度閉店した、天草(熊本県)の名店「まるきん製菓」が2017年に復活。その際「パティシエ エス コヤマ」(兵庫県)がレシピ開発したというたい焼きを、路地奥の古民家カフェでいただける。ふわふわ生地と本格的なカスタードクリームが絶品。つぶあん、カスタード、ミックス各200円。コーヒーとセットで500円。
あまいろ
本店と同じく天草の焙煎コーヒー店「赤い月珈琲」の新月ブレンドを提供。まるい形のたい焼きは、天草の名物だ。
六角通
手紙を書いたり、季節の挨拶に一筆添えたり、文字を書くことが少なくなっている今、文字を書くきっかけになれば・・・と、和文具の専門店が教室を開催。まずは筆の入り方や抜き方を意識しながらお手本通りに書き、筆に慣れたら、はがきや金封に自由に好きな文字を書いていく。書道教室と違い、先生が朱入れをすることはなく、バランスや自分の字を生かす書き方をアドバイスしてもらえる。「ご自身の個性を大切に。書き慣れてくると上手じゃなくても形になりますよ」と、講師の古宮佳代子さん。先生のアドバイスを受け、実際に書いていくと、なんとか様になってくる。大人になってから自分のクセを直すのは至難の業だが、これなら家でも続けられそうだ。
取材・文/天野準子 写真/岡本佳樹
真っ白な封筒にはシールなどを貼るのも手。「うまいヘタは関係ありません。一言添えることでもらう側の印象が変わります」と、先生
講師は書家の古宮佳代子さん。「うまく書けましたね。次はバランスをもうちょっと整えてみて」と、褒めて伸ばしてくれる
1.紙製品のセット
2.いろは歌の手本帳を見ながら、筆か筆ペンで半紙に仮名を書いて練習する
3.先生の添削も
4.最後の30分はいよいよ実践
文字もじ手書き講座
嵩山堂はし本(すうざんどうはしもと)
1953年創業。便せんや封筒、ご祝儀袋など、多彩なオリジナルの紙製品、和文具がそろう。渋すぎず、絶妙なタッチの絵柄で大人の女性にファンが多い。
吉祥菓寮の焦がしきな粉パフェ
ほうじ茶ゼリー、2種のアイスクリーム、豆乳ブランマンジェ、焼きメレンゲなど、きな粉と相性の良いおやつを重ねた贅沢なパフェ。仕上げには国内最高ランクの大豆・ミヤギシロメを深煎りしたきな粉をたっぷりと。1,188円
吉祥菓寮 京都四条店
初代が店を構えたのは江戸時代中期。1934年に創業し、煎り大豆を売り出した「桂華堂」を前身とする、きな粉とスイーツの人気店。
大徳寺
座禅会をおこなう寺院はめずらしくないが、夜に定期開催するところは希少だ。さらに普段は非公開の寺院ゆえ、特別間も高まる。境内は空が暗くなるほどに静寂さを増し、日中よりも座禅に集中しやすい環境に。こちらでは、途中に体操が入るのも特徴だ。「座禅をするために姿勢を正そうとすると、キツイでしょ。軽い運動で体をほぐし、整えるんです。そうすると体がラクな状態で座禅ができますと、住職の戸田惺山さん。実際に体験してみると1回目の座禅より、2回目の座禅の方がラクに感じ、心を落ち着けやすい。ストレスフルな毎日を忘れ、波だった心も凪のようになる。
取材・文/天野準子 写真/津久井珠美
空が暗くなるほど、心も落ちつく夕暮れ時。真冬は本堂でおこなうが、それ以外の時期は庭を望む縁側で
希望すれば、警策で肩を打ってもらうことも
休憩時には簡単な体操で体をほぐす
座禅の後は、お茶を飲みながら住職や参加者と交流会も
夜空の坐禅
大慈院
大徳寺の塔頭。普段は非公開で、枝振りのいい槇の大木がシンボリックな庭を眺められるのも座禅会の特権だ。座禅会は毎週日曜朝にも開催されている。
クリケットのフルーツサンド
定番のイチゴ、リンゴ、マンゴー、メロンに加えて季節替わりの3種、プロの目利きが選んだ7種のフルーツをサンド。完熟フルーツの甘酸っぱいおいしさを際立たせるため、生クリームは甘さと脂肪分を控えめに。1,200円
カットフルーツや、人気のクリケットゼリーなどがショーケースに並ぶ
フルールパーラー クリケット
京都中央卸売市場で青果卸商を営む店主が、1974年にフルーツパーラーをオープン。2017年のリニューアルを機に、イートインメニューがさらに充実した。