アイスランド共和国 グトルフォスの滝
アイスランド共和国 グトルフォスの滝

凍てつく様も美しい迫力満点の大瀑布

北大西洋に浮かぶ島国、アイスランド共和国(通称:アイスランド)。“火と氷の島”と呼ばれるこの国には、至るところに息をのむような自然景観が広がっている。グトルフォスの滝もその一つだ。
アイスランド南部に位置するグトルフォスの滝は、国内最大級の氷河を水源とする大瀑布。幅70m、落差30mにわたって流れ落ち、水しぶきが太陽の光を浴びて輝くことから、アイスランド語で黄金を意味するグトルという名がつけられた。水煙を上げて流れる夏の景色はもちろん美しいが、この国らしさを感じられるのはやはり冬だろう。あたり一面雪で覆われ、滝の一部は凍り、それでも勢いは衰えることなく流れ落ちる滝を眺めていると、手つかずの自然の力強さ、スケールの大きさをひしひしと感じることができる。
滝はゴールデンサークルと呼ばれる観光ルートの一部で、首都・レイキャヴィクからツアーで訪れるのが一般的。都心から車で2時間ほどの 距離だが、そこには“地球は生きている”ということを実感する圧倒的な景色が広がっている。

アイスランド共和国
レイキャヴィクの街並み

レイキャヴィクの街並み。雪景色にカラフルな屋根の色合いが映える。

アイスランド共和国

自然と寄りそい
共生する豊かな暮らし

国土の1/10が氷河で覆われ、雄大な自然を有するアイスランド。北海道と四国の面積を足したほどの島国で、郊外には樹木の育たない溶岩台地が広がる厳しい自然環境ゆえ、人口の半数は首都・レイキャヴィク周辺に集中している。極寒の国というイメージがあるが、島に流れる暖流の影響で、緯度のわりには冬場も比較的過ごしやすい。レイキャヴィクの最低気温は最も寒い時期でもマイナス2度ほどだ。ただ冬は日照時間が短く、冬至前後になると3時間しか日が昇らないことも。

そんな暗く長い冬と対照的なのが、カラフルなレイキャヴィクの街並み。雪で覆われる街に色を添えるかのように、屋根や外壁を鮮やかな色に塗った住宅が建ち並ぶ。冬場は室内で過ごす時間が長くなるため、外観だけでなくインテリアにもこだわりがある家が多いそうだ。また、屋内の暖房に使用されるエネルギーの90%は火山由来の地熱を利用したもの。その他の電力需要は氷河などの豊富な水源を利用した水力エネルギーでまかなわれており、電力自給率は100%を誇る。厳しい自然を受け入れ、恩恵を享受するアイスランド人の暮らしぶりがうかがえる。

レイキャヴィクの街とオーロラ

レイキャヴィクの街とオーロラ。オーロラは9月から4月にかけて観測できる。

観光資源もまた、自然を活かしたものが多い。アイスランドへの観光客は年間230万、実に人口の7倍もの人々が訪れる観光大国だが、ほとんどの観光客のお目当ては過酷な自然が生み出す風景だ。大小の間欠泉が定期的に噴出するゲイシールと呼ばれるエリアや、地下熱水を利用した世界最大の屋外温泉・ブルーラグーンなど、アイスランドならではの景色が訪れる人々を魅了し、自然の壮大な営みを体感させてくれる。

地球の息吹を感じる
ゴールデンサークル

アイスランドの壮大な自然に触れるなら、ゴールデンサークルと呼ばれる観光ルートへ。グトルフォスの滝やゲイシールのほか、大陸プレートの境界部分・ギャウを見ることができるシンクヴェトリル国立公園を巡るツアーは、レイキャヴィクから日帰りで参加できる。

ゲイシールの間欠泉

約10分ごとに高温のお湯が噴出するゲイシールの間欠泉。

地球の息吹を感じる
ゴールデンサークル

アイスランドの壮大な自然に触れるなら、ゴールデンサークルと呼ばれる観光ルートへ。グトルフォスの滝やゲイシールのほか、大陸プレートの境界部分・ギャウを見ることができるシンクヴェトリル国立公園を巡るツアーは、レイキャヴィクから日帰りで参加できる。

シンクヴェトリル公園

広大で自然豊かなシンクヴェトリル公園は世界遺産に登録されている。

アイスランド一の高さを誇る
ハットルグリムス教会

レイキャヴィクの街でひと際目をひくのは、高さ73mのハットルグリムス教会。高い建物の少ないアイスランドで一番高い建造物で、計画から完成までに40年以上の歳月を要した。塔部分は展望台になっており、四方に配された窓からレイキャヴィクの街並みが360度見渡せる。

教会

街のシンボル的な存在の教会。教会内ではコンサートが行われることもある。

大自然の恵みを味わう
アイスランド料理

四方を海に囲まれたアイスランドは魚介類の宝庫。タラやサケ、手長エビなど、新鮮なシーフードが食卓に並ぶ。高地で放牧されてのびのびと育ったラムも、臭みがなく味わい豊かでおすすめ。また、雪深い冬に備えて、薫製や塩漬けなどの保存食の文化も発達している。

アイスランド料理

1.タラは定番の食材。素材を活かした味付けが基本だ。2.発酵乳製品のスキール。見た目はヨーグルトのようだが、チーズの仲間。3.子羊の薫製・ハンギキョートは、お祭り事に欠かせない伝統料理。

大自然の恵みを味わう
アイスランド料理

四方を海に囲まれたアイスランドは魚介類の宝庫。タラやサケ、手長エビなど、新鮮なシーフードが食卓に並ぶ。高地で放牧されてのびのびと育ったラムも、臭みがなく味わい豊かでおすすめ。また、雪深い冬に備えて、薫製や塩漬けなどの保存食の文化も発達している。

厳しい冬を乗りきる必需品
国産羊毛のロパペイサ

ロパペイサとは、アイスランドの国民服ともいえるウールセーターのこと。極寒の国を生き抜いてきた国産羊の毛は、軽いのに暖かく、かつ手入れも簡単という優れもの。首周りのデザインが特徴で、風景に色が少なくなる冬は明るい色のものを選ぶ人が多いそう。ロパペイサの他、アイスランドウールを使ったマフラーなどもお土産に人気。

ロパペイサ

首周りに伝統的な幾何学模様がデザインされたロパペイサ。

発電所の地熱を利用した
世界最大の露天風呂

ブルーラグーンは、隣接する地熱発電所が汲み上げた地下熱水を再利用した温泉施設。総面積は8,700㎡に及び、露天風呂としては世界最大。温泉内に設置されたバーでお酒を飲んだり、美肌効果のある白い泥・シリカを使ったパックをしたりと、楽しみ方は様々。

ブルーラグーンの温泉水

ブルーラグーンの温泉水は皮膚病治癒への効果があることで知られている。