ブラジル連邦共和国・マラニョン州 レンソイス・マラニャンセス国立公園
ブラジル連邦共和国・マラニョン州 レンソイス・マラニャンセス国立公園

雨季にだけ姿を現すエメラルドグリーンの湖

ブラジル連邦共和国(通称:ブラジル)の北東部、マラニョン州に位置するレンソイス・マラニャンセス国立公園。そこには、15万5000haにもわたる白い大砂丘が広がっている。レンソイスとはポルトガル語でシーツの意味で、まさにシーツを広げたような砂丘の姿は、衛星写真からも確認できるほど。この白い砂の正体は水晶の仲間である石英という鉱物で、太陽光を反射して白く輝いてみえるそうだ。
砂丘は年間を通して見られるが、雨季が終わる6月から見頃を迎える。雨季の間に地下水が増加し、そこから湧き出した水が砂丘のくぼみに溜まって湖を形成するのだ。白い砂丘にエメラルドグリーンの湖が無数に浮かびあがる光景は圧巻で、水深のある湖では泳ぐこともできる。さらにはどこからともなく現れた魚が泳いでいる湖もあるというから驚きだ。
日本から砂丘へ訪れるには、ブラジルの複数の都市を経由する必要があり手軽に訪れられる場所ではないが、自然が造り上げた神秘的な大砂丘は、時間をかけても訪れる価値のある景色だ。

ブラジル連邦共和国・マラニョン州
旧市街へと続く通り

旧市街へと続く通り。街は港を見下ろす高台と海岸沿いに建設されているので階段が多い。

ブラジル連邦共和国・マラニョン州

タイルで彩られた
世界遺産の街並みへ

レンソイス・マラニャンセス国立公園へ向かう旅人たちが必ず訪れるのがマラニョン州の州都であるサン・ルイス。砂丘へはサン・ルイスからバヘリーニャスという砂丘近くの小さな街へバスで向かうのが基本のルートだ。拠点となるサン・ルイスは、ブラジルで唯一フランス人によって築かれた街で、コロニアル建築が保存された旧市街は歴史地区として世界遺産に登録されている。

街はフランスによって築かれたが、のちにオランダが侵略。その後ポルトガルが入植し貿易で栄えたという歴史を持つ。そのため、旧市街の建物の多くはポルトガル様式だ。この地に移り住んだポルトガル人たちは、砂糖や綿花の輸出業で富を得て、競って立派な邸宅を建てたそうだ。邸宅の外壁はアズレージョというポルトガルのタイルで飾られ、別名“タイルの街”とも呼ばれるサン・ルイスの美しい景観をつくり出している。このタイルは飾りだけが目的ではなく、強い日差しを反射して建物を守り、劣化を防ぐという役割もあるとか。年間を通して最高気温が30℃前後になるサン・ルイスの街に適したデコレーションなのだ。

旧市街

旧市街は19世紀に一時衰退したが、復興プロジェクトにより植民地時代の美しい街並みが蘇った。

その街並みで知られるサン・ルイスだが、もう一つ有名なのが毎年6月に行われる祭り、ブンバ・メウ・ボイだ。ブラジル各地で開催される伝統的な祭りだが、サン・ルイスのものはとくに規模が大きく約一ヶ月にわたって大々的に催される。雄牛にまつわる悲劇を題材にして、それぞれのグループが歌や太鼓、ダンスを披露し、夜通しパフォーマンスが行われるという熱気にあふれた祭りだ。期間中は様々なプログラムが開催されるが、参加型のものもあり旅行客も一緒にお祭り気分を味わえるのも魅力的。陽気で情熱的なブラジル人たちに混じって踊れば、ブラジルという国の文化を肌で感じられるだろう。

地域ごとの味を楽しむ
カシャッサで乾杯

カシャッサとはブラジルを代表するお酒で、サトウキビのしぼり汁を発酵、蒸留して作られたもの。日本ではあまり馴染みがないが、世界中で広く消費されている蒸留酒だ。各地方の風土に根差したカシャッサを作る地方の蒸留所も多く、各地がその味を競っているそう。

カシャッサ

地ビールのように土地ごとの味が楽しめるカシャッサ。

情熱的な歌と踊りに
魅了される伝統の祭り

ブラジルの祭りといえばカーニバルが有名だが、サン・ルイスで盛んなのはブンバ・メウ・ボイ。毎年6月に開催される伝統的な祭典だ。民話を題材にした歌と踊りで構成され、ブラジルらしい情熱的なパフォーマンスが見もの。

伝統の祭り

街のあちこちでパフォーマンスが行われ夜通しお祭り騒ぎに。

情熱的な歌と踊りに
魅了される伝統の祭り

ブラジルの祭りといえばカーニバルが有名だが、サン・ルイスで盛んなのはブンバ・メウ・ボイ。毎年6月に開催される伝統的な祭典だ。民話を題材にした歌と踊りで構成され、ブラジルらしい情熱的なパフォーマンスが見もの。

旧市街の建物を彩る
色とりどりのアズレージョ

“タイルの街”との愛称で知られるサン・ルイス。旧市街の建物の多くはポルトガルタイルのアズレージョで飾られ、散策するとヨーロッパの古い街に迷い込んだような気分に。デザインや色のバリエーションを見てまわりながら歩くのが楽しい。

アズレージョ・アズレージョの信号機

街中のいたることろに設置されたアズレージョの信号機。

シュラスコだけじゃない
美味揃いのブラジル料理

ブラジル料理といえば、肉の塊を塩焼きにしたシュラスコ。パーティー好きなブラジル人の食文化に欠かせない料理だ。そのほか、煮込み料理のフェジョアーダや揚げ餃子風のパステルなども定番で、屋台などで手軽に食べられる。

フェジョアーダ・パステル・シュラスコ

1.様々な部位の肉と豆を煮込んだフェジョアーダ。2.肉や野菜を包んで揚げたパステル。3.シュラスコは串刺しにした肉から好きな部位を選び切り落として食べるスタイル。