メキシコ湾とカリブ海に挟まれた、メキシコ合衆国(通称メキシコ)南東部のユカタン半島。ビーチを目当てに訪れる観光客が多いなか、近年注目を集めている湖がある。ラスコロラダスという小さな港町にある塩湖、ピンクラグーンだ。その名の通りピンク色に染まった湖は、天然の色とは思えないほど鮮やか。湖の水をピンクに染めているのは、湖に生息する赤い色素を持つ藻類と微生物。湖はかつて塩田として使用されており、白い塩田に光が射すことで、湖水のピンク色がより際立ち、美しい自然のアートを生みだしている。
ピンクラグーンが綺麗にみられるのは、メキシコの乾季に当たる11~4月。雨季には湖が濁ったり、湖の水が抜かれてしまうこともある。写真のような鮮やかなピンク色を目にするためには、乾季の中でも12~2月の、太陽が高く登る正午辺りに行くとよい。晴天の日なら目が覚めるような一面ピンク色の湖に出合えるだろう。
ピンクラグーンのあるユカタン半島は世界屈指の美しいビーチが広がるリゾートエリア。中でも高い人気を誇るのがカンクンだ。カリブ海とラグーンに挟まれた約20㎞の細長い州に世界チェーンのホテルが並び、バカンスを過ごす観光客が世界中から訪れる。街は、リゾートホテルが並ぶホテルゾーンと、地元の人々が生活するセントロの、ふたつのエリアに分かれており、セントロではホテルゾーンの雰囲気とはうってかわった庶民的な空気が流れる。また、透明度の高さで知られるセノーテでのシュノーケリングや、生物保護区でのアクティビティなど、周辺には自然とふれあえるスポットも多い。
そんなリゾート地としての印象が強いユカタン半島だが、地域の歴史、文化に注目して旅をするのもおもしろい。ユカタン半島は、マヤ文明が紀元前より繁栄した場所で、密林の中に点在する多くのマヤ遺跡は観光客にも開放されている。そもそもマヤ文明とは、メキシコ南東部、グアテマラ、ベリーズなどを中心に栄えた文明で、高度に発達したマヤ文字と天文学、建築技術などで知られる。数ある遺跡の中でも、カンクンから3時間ほどのチチェン・イッツァには、その技術の高さを表す神殿や建築物が残っている。遷都を繰り返しながら、2000年以上にわたって栄えた文明の跡地に、古代ロマンを感じずにはいられないだろう。
ユカタン半島は石炭岩質の土壌のため、雨が地中にしみ込み、地下にできる空洞に水が溜まる。その空洞の上の地面が陥没してできたのがセノーテだ。透明度の高さから、ダイビングスポットとして人気。
トウモロコシの生地を焼いたトルティーヤが主食で、具をはさんだり、包んで揚げたりと、様々な料理に応用される。ユカタン半島では、マヤの時代から続く郷土料理を味わえるほか、近海で獲れた魚介類を使った料理も美味。
トウモロコシの生地を焼いたトルティーヤが主食で、具をはさんだり、包んで揚げたりと、様々な料理に応用される。ユカタン半島では、マヤの時代から続く郷土料理を味わえるほか、近海で獲れた魚介類を使った料理も美味。
トウモロコシの生地を焼いたトルティーヤが主食で、具をはさんだり、包んで揚げたりと、様々な料理に応用される。ユカタン半島では、マヤの時代から続く郷土料理を味わえるほか、近海で獲れた魚介類を使った料理も美味。
カンクンの市場や土産物屋をのぞくと、多くの店でみかけるカラフルな雑貨。刺繍を施した布は、ウィピルという民族衣装に用いられるもの。メキシコ中南部プエブラ州特産のタラベラ焼とともに、メキシコ土産の定番だ。
チチェン・イッツァは、6世紀頃のマヤ古典期と10世紀以降の後古典期に栄え、ユカタン半島における芸術、宗教、経済の中心を担った場所。現在も当時の栄華を彷彿とさせる壮大な遺跡が残っている。