幻想的な光で人々を魅了するオーロラ。ローマ神話の女神が名称の由来と言われており、その神秘性は、世界各国で様々な伝説となって語り継がれている。
地球の極地周辺、緯度60〜70度ほどの範囲には「オーロラベルト」と呼ばれるオーロラを鮮明に観測できる一帯がある。北半球では、スウェーデンやフィンランド、アイスランド、カナダなどの北部が該当のエリアとして知られている。
スウェーデン最北部の都市・キールナでは、春と秋がオーロラ観測に適しているが、特に夜が長く晴天率の高い3〜4月は、鮮明さが別格で、まさにベストシーズン。中心街から徒歩15分ほどの距離にあるホテルでは、敷地内に設けられた観測スポットで手軽にオーロラを見ることができる。極寒の中、満天の星とともに現れる光のゆらめきは、神々しいまでの美しさと迫力に満ちている。
スウェーデン最北の都市・キールナは、ノルウェー、フィンランドと、ロシアの東部にまたがるラップランドと呼ばれるエリアの一つ。トナカイの遊牧民として暮らしてきた先住民族サーミ人の文化が現在もなお色濃く受け継がれている。
主要産業は鉄鉱石の採掘で、高純度の鉄鉱石はナイフや包丁の原料としてヨーロッパ各国に輸出されている。
オーロラ観測と共に訪れたいのが、キールナの東、約17㎞にある村・ユッカスヤルヴィのアイスホテル。世界各国のアーティストがデザインした部屋で氷のベッドにトナカイの皮を敷き、寝袋に入って一夜を過ごす体験が人気だ。
食文化では、トナカイのステーキなど、ラップランド伝統のジビエが有名。トナカイの肉にベリーやキノコを添えた料理は郷土の味として親しまれている。トナカイは食だけでなく皮を防寒着や伝統工芸品の材料にするなど、生活と切り離せない存在として共生してきた歴史がある。
近年では鉄鉱石の採掘で地盤沈下が進行していて、2050年までに3㎞東の位置に街全体を移転させる計画を遂行中。市庁舎は2018年に既に移転が完了し、街の象徴であるキールナ教会も2025年以降に移転予定。産業を継続させるための都市機能の移転という前代未聞の試みに世界から注目が集まっている。
サーミ人が受け継ぐ伝統工芸は、トナカイの皮や角、鉱石などで作る刃物、そしてフェルトで織られる民族衣装などが有名。近年では文化の保存のため、若年層の間で積極的に民族衣装を着る動きなどが見られる。
ラップランドの先住民族サーミ人は、遊牧で育てたトナカイの肉を中心に豊かな食文化を形成。長い冬の影響で干物や燻製といった調理法も発展した。果物ではクラウドベリーの栽培が盛んで、様々な料理や加工食品に使用されている。
キールナでは1660年に鉄鉱石が発見され、1890年からは国営の鉱業会社が本格的に採掘事業を開始。地下2,000mまで鉱脈が確認されているが、採掘が街の中心部に迫っており、都市機能の移転が進められている。
キールナの東のユッカスヤルヴィにあるアイスホテルは、1年を通して氷でできた部屋での宿泊を楽しめるが、通常のホテルのような暖かい部屋も完備。2018年に完成した新市庁舎や、スウェーデンで最も美しい建物に選ばれたこともある教会など、キールナ市内の建築物にも要注目。
キールナの東のユッカスヤルヴィにあるアイスホテルは、1年を通して氷でできた部屋での宿泊を楽しめるが、通常のホテルのような暖かい部屋も完備。2018年に完成した新市庁舎や、スウェーデンで最も美しい建物に選ばれたこともある教会など、キールナ市内の建築物にも要注目。
キールナの東のユッカスヤルヴィにあるアイスホテルは、1年を通して氷でできた部屋での宿泊を楽しめるが、通常のホテルのような暖かい部屋も完備。2018年に完成した新市庁舎や、スウェーデンで最も美しい建物に選ばれたこともある教会など、キールナ市内の建築物にも要注目。