西洋菓子しろたえの
ビジネスマンが行き交う赤坂の繁華街にひっそりたたずむ店構え。客足が絶えないのに、店内にはゆったりとした時間が流れ、長く愛されてきたお店ならではの、折り目正しい接客に背筋が伸びる。
凛とした気品をたたえたレアチーズケーキは、2種のデンマーク産クリームチーズ、レモン、砂糖のみで作られ、濃厚だが爽やかな酸味となめらかな口溶けがたまらない。サクサクに焼き上げた土台のビスケットとのバランスも絶妙で、もう一口・・・と思わせる小ぶりサイズが心憎い。
「日本の文化に合うシンプルな西洋菓子」が創業時からのコンセプト。喫茶メニューに煎茶があるように、「日本茶にも合いますよ」と店長の角谷さん。三代にわたって贔屓にされる常連客もいるという、洗練された味を守る。
柏屋光貞の
「愛らしい4色の彩りのお菓子が箱に詰められた「おゝきに」は、上生菓子も並ぶ店内にあって、気軽に買える手みやげ。むっちりと弾力がある寒天菓子だが、それぞれの味わいもじんわりと愛おしい。ピンクはやさしく、酸味の利いた梅。緑は柚子でむち、シャリと爽やか。茶色はコクのある黒糖の味わい。プレーンの白は、やさしく甘いミルキーな風味。
色の組み合わせもさることながら、それぞれの味わいも奥行き深く、お茶席に用いられることも多いとか。
蓋を開ければ、時候の干菓子がひとつ添えられた美しい様子に、先様に感謝の気持ちがいっそう伝わるだろう。創業文化3年(1806年)、11代続く老舗である。
日本料理 柏屋の
季節の移り変わりを色を重ねることで表現した、麗しい羊羹。「心が遊ぶ時間」をテーマに、伝統的な日本料理を重んじ、現代的な趣向も巧みに取り入れた会席料理の名店で「食後の会話が弾むようなお菓子を」と考案されたもの。
平安貴族の装束「襲の色目」から着想を得て、紅葉、橘、竜田川など季節の風情を表現。鮮やかな彩りの餡は、人参や紫芋など食材が持つ色を生かしたもの。
ときには、ドライフルーツなども使う柔軟な発想で生まれる組み合わせは、なんと200種類も。色と風味を繊細にかさねた見事な調和の味わいは、大切な方にこそ届けたい。要予約。
パティシエ エイジ ニッタの
新田英資シェフによる一軒家のパティスリー。シェフが現地で食べて衝撃を受け感動した味を、と作り始めたのは、フランス南西部の町、モンテリマールの伝統菓子。
「モンテリマールのヌガー」と名のるには、ナッツとハチミツの含有量に厳正な規定がある。それをクリアしたこちらは、ラベンダーのハチミツが香る生キャラメルのような食感。
極薄く焼いたウエハースや、香ばしいアーモンドにヘーゼルナッツ、ピスタチオがアクセント。食後のティータイムだけでなく、洋酒やスパークリングドリンクのアテにもぴったり。
見た目の美しさがテーブルの花となり、目を引くお菓子。気のおけない仲間での集まりなどに。