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今年の冬はインフルエンザが大流行していますが、みなさまのご家庭ではいかがでしょうか。手洗い、うがい、マスクなど日頃の予防が重要ですね。お住まいも日頃のお手入れでトラブルを予防していただくとありがたく思います。今年もみなさまにお住まいに関する色々なお話を届けて参りますので、宜しくお願いいたします。

さて、寒い日が続いておりますが、昨年Vol.2「冬場の結露対策とお手入れのポイント」にてお伝えしました結露のお話を覚えていますか?自然現象として季節を問わない結露ですが、寒くてお部屋の中を暖めるこの時期は、特に結露が発生しやすくなります。

そこで、今回は結露の復習をしましょう。

アドバイス01

結露の発生ポイントは『温度差』

結露

まず、空気が蓄えられる水分の量は、空気の温度によって決まっています。温度が高い場合はたくさん水分を蓄えることができ、温度が小さいと蓄えられる水分が少なくなる為、暖かい空気が冷えていくと蓄えられない水分が水滴となります。

冬、冷たい空気で窓ガラスは冷やされています。逆に室内は暖房器具で空気が暖められていますね。この室内で暖められた空気が窓に接すると、空気が冷やされて、蓄えきれない水分が水滴となり、窓ガラスに付着します、これが結露の発生のメカニズムです。

結露

このように、結露の発生ポイントは『温度差』です。例えば、ガラスコップに水と氷を入れてしばらくすると、コップと室温の温度差により、コップの表面に水滴がついて結露が発生します。しかし、左写真のウォーターピッチャーを見てください。水滴がついていません。これはウォーターピッチャーが二重構造によりピッチャー内部の温度がピッチャー表面に伝わりにくく、コップと比べてピッチャー表面と接する空気の温度差が小さい為、結露が発生しにくい状態になっています。

窓ガラス

ということは、このピッチャーの仕組みと同じように、窓ガラスの外側と内側の温度差をなくすと、窓ガラスに水滴が付くのを抑えることができるということです。

時々、結露対策として窓ガラスを複層ガラスに交換しようかと検討されている方からお問合せがありますが、窓ガラスやサッシは「共用部分等における専用使用部分」になりますので、管理組合への届出が必要となります。また、窓ガラスだけではなくサッシ枠も交換ということになれば、大掛かりな工事になってしまいます。

結露

他にも、今のサッシと窓ガラスは取り外さず、そのまま取り付けることが出来るインナーサッシ(内窓)を検討されている方もいらっしゃいます。インナーサッシ(内窓)は室内側に設置する為、管理組合に届出る必要はないのですが、部屋が狭く感じたり、窓を開閉する場合、2回開閉しなければならないことや、お手入れ方法で心配されるデメリットもあります。しかし、インナーサッシ(内窓)を取り付けると、ウォーターピッチャーのような二重構造となり、室内空気が外部空気温度の影響を受けにくくなりますので、エアコンの効きが良くなり、電気代の節約にもつながることから、結露対策以外のために検討される方も多いようです。

結露

あくまで、結露対策グッズやインナーサッシなどは、結露を抑制する為のひとつの手段です。換気をせずに、水蒸気がたくさん発生するガスストーブ(ファンヒーター)や石油ストーブ(ファンヒーター)を使用すると、結露が発生しやすい環境となりますので、インナーサッシを設置しただけでは、お部屋全体の結露発生を防ぐことはできません。窓と同じように外の冷たい空気で冷やされる玄関扉はこまめに拭いたり、浴室や洗濯機などの湿気が溜まりやすい洗面洗濯室などは換気に気を付けて、他の部屋に湿気を広げないことがとても重要です。また、24時間換気システムを設置のマンションではこのシステムを活用すれば湿気対策として効果が有ります。

アドバイス02

見落としがちな「家具の裏」

結露

ところで、結露が発生する場所で最初に思い付くのは窓ガラスやサッシですよね。他に思い付くところはありますか?大量の湯気が出る浴室、その浴室から水蒸気が流れ込む洗面洗濯室、トイレの便器も結露が発生することがあります。そのような場合は、24時間換気システムだけでなく強制換気を行って、それでもだめなら、便利グッズで結露対策を検討してみてください。実は、結露対策をせず、気付いた時にはカビだらけ…というケースがある恐ろしい場所があります。

部屋

それは、「家具の裏」です。部屋を広く使いたいために家具を壁にぴったりつけてしまいがちですが、それが結露の原因となります。壁と家具との隙間が小さいため、空気が淀みやすく結露が発生しやすい環境と言えます。

しかも、大きな家具を頻繁に動かすことはできない為、いざ買い替えになった時、家具を移動させたところ、壁クロスがカビで真っ黒に…という事も。

家具を設置する際には壁から5cm程度、床から2cm程度、少なくとも離して設置すると換気ができ、結露やカビが発生しにくくなるといわれていります。

雨

何度もお伝えしますが、結露は自然現象として季節は問いません。夏期は空気中の水蒸気が多くなり、室内の家具や収納の中などいたるところに湿気が溜まります。冷房によって室内の温度が低くなるとそれらの中に結露が発生することもあります。更に雨天の時は湿度も高くなり、通風するために過度に窓を開けると大量の湿気が室内に入り込むことになりますので注意が必要です。室内の湿気が気になる時は、換気や通風に心掛けるようにしましょう。

結露が発生しているかどうか分からない、前の家では結露しなかった…などの理由で、結露対策を何もしていないと、カビやダニの繁殖が活発化する原因のひとつとなってしまいます。最近のマンションは気密性が向上していますのでご注意してくださいね。

イメージ

同じマンションでも、方角や間取りの違い、みなさまそれぞれの生活環境によって結露する度合いは異なります。雑誌やインターネットなど結露防止について色々調べることはできますが、ご入居のみなさまで、どのような結露防止対策をしているか意見交換していただくと、意外な発見ができるかも知れませんね。

まだまだ寒い日が続きますが、お風邪などをお召しになりませんように。そして、「なるべく温度差をなくす」を心掛けてくださいね。