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雪

暖冬と言われておりましたが、年が明けてからは一転して寒くなり、立春をすぎてもなお厳しい寒さも続いております。

寒くてお部屋の中を温めるこの時期は、結露が発生しやすくなりますので、住まいるアドバイスVol.2、Vol.14を読んでいただき、結露対策をしっかりとしましょう。

さて、住まいるアドバイスでは「共用部分」、「専有部分」という言葉がよく出てきますが、どこが共用部分でどこまでが専有部分なのかご存知でしょうか?部屋の外が共用部分で、部屋の中が専有部分なのでしょうか。では、バルコニーや専用庭は専有部分なのでしょうか?また、窓ガラスや玄関扉など、表裏一体のものはどうなるのでしょうか。

今回は、そんなマンションの共用部分と専有部分について、なるべく分かりやすくお伝えしたいと思います。

アドバイス01

マンションは「区分所有建物」

マンション

共用部分と専有部分の範囲についてお話する前に、マンションのように、ひとつの建物が空間的にいくつかに区分されていて、尚且つ、各部分が独立して用途を果たしている建物を、「区分所有建物」と言います。この区分所有建物の独立した各部分を「専有部分」と言い、専有部分を所有している者のことを「区分所有者」と言います。その反対に区分所有者が全員で共有している部分を「共用部分」と言います。

また、区分所有建物に関する権利関係や管理については、「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」という法律で定められていて、入居時にお渡ししている、「管理規約集」の冊子も、区分所有法に基づいて規則が定められています。法律というと堅苦しい感じがしますが、共同生活において、とても大切な法律です。

アドバイス02

共用部分の範囲

マンション

では、共用部分の範囲から考えてみましょう。一般的な分譲マンションで考えると、専有部分以外の部分となりますので、共用廊下や共用階段、エントランスホールやエレベーターやゴミ置場、あると便利な駐車場やメール・宅配ボックスなどがありますね。使用しているという実感はあまりないかも知れませんが、建物の躯体や基礎部分、生活には欠かせない電気・給排水衛生設備(専有部分以外)、植栽や侵入防止柵なども共用部分に含まれます。

マンション

ですが、住まいるアドバイスVol.11でお伝えした、共用部分でありながら、特定の区分所有者だけが利用でき、その他の区分所有者は利用することができない「専用使用部分」を思い出してください。バルコニー、専用庭、アルコーブ、室外機置場、玄関扉(錠及び内部仕上げ部分除く)、玄関扉枠、新聞受け、外気に面するサッシ(窓本体・枠・窓ガラス・網戸)、ルーバー式面格子などがあります。専用使用部分は専有部分とどうの違うのでしょうか。専用使用部分の日常の清掃などの維持管理は区分所有者が行いますが、共用部分ですので、模様替えなどは区分所有者が自由に行うことはできません(管理組合の承認を得たもの、軽微なもの、及び緊急時に必要とする修繕工事を除く)。

アドバイス03

専有部分の範囲

専有部分

次に、専有部分です。独立して用途を果たしている部分をいうと難しいですが、みなさまがお住まいの住戸(例:101号室)のことです。最初からお部屋の中に設置されている、食器洗い乾燥機、床暖房、システムキッチン、浴室乾燥機などの設備も専有部分ですし、壁や天井のクロス、フローリング、畳や襖なども専有部分に含まれます。反対にお部屋の中ではなく、外壁やメーターボックス内に設置されているガス給湯暖房機も専有部分に含まれます。

ただ、気を付けていただきたいのが、玄関扉です。玄関扉は専用使用部分とお伝えしましたが、錠と内部仕上げ部分(左写真)については専有部分に含まれます。

アドバイス04

管理規約集を見る習慣を

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先程お伝えした共用部分、専用使用部分、専有部分の具体例は他にもたくさんあります。マンションの仕様によって設置している設備がさまざまで、すべてを覚えるのは大変です。

そんな時に役立つのが管理規約集です。管理規約集には敷地及び共用部分等の範囲の表示や、共用部分・専有部分の使用に関する規則(使用細則)など、管理規約集の内容はマンションによって異なりますが、みなさまが快適にお住まいいただくためのルールがたくさん記載されていますので、気になることがあれば管理規約集を見るという習慣をつけることも大切です。

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このように、共用部分や専有部分のどこに該当するかによって、誰が使用できるのか、使用する際の注意事項、日頃の管理やお手入れ、修理が必要になった時の連絡先などが分かりにくいところがあります。

特に専用使用部分に関しては、その住戸にお住まいの方以外使用することがないため、共用部分であることを忘れがちになってしまいますが、管理規約集に使用細則が記載されていますし、基本的には使用している方が自由に仕様を変更できるものでもありません。もし、何らかの事情で仕様を変更する場合は、管理組合へ相談していただく必要があります。

今回はまず、マンションの共用部分、専用使用部分、専有部分の範囲についてお伝えしました。各範囲の管理や日頃のお手入れなどについては次回もう少し詳しくお伝えしたいと思いますのでお楽しみに。

春はもうすぐとは言え、まだまだ寒い日が続きますので、みなさま健康には十分ご留意くださいませ。