大変ご無沙汰しております。しばらく住まいるアドバイスをお休みしており、更新を楽しみに待っていてくださったみなさまには、大変申し訳ございません。
2018年4月に会員様専用サイトもリニューアルされ、住まいるアドバイスのページも新しくなっております。これからも日々の暮らしでご活用いただけるような情報をお届けしたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
今年は台風や梅雨前線の影響による大雨の後、全国的に猛暑が続き、今までにない厳しい暑さとなっております。また、台風や突発的かつ局地的に激しい雨が降る“ゲリラ豪雨”の発生も多い時期なので、情報サービスなどで気象情報を確認し天気の急変に備えてください。
さて、台風などの備えとして、住まいるアドバイスVol.8『備えあれば憂いなし、台風が来る前に』やVol.30『風が強くなる前に』でも対策をお伝えしましたが、今回は台風やゲリラ豪雨などの時、水の浸入を軽減する「水害対策パネル」という防災設備についてお伝えしたいと思います。
アドバイス01
「水害対策パネル」は「止水板」や「防潮板」とも言い、地下駐車場の入口などに設置することで、大雨などによる水の浸水被害を軽減します。近年では局地的大雨が増加していることもあり、ビルや公共施設だけではなく戸建やマンションでも土嚢にかわる対策として水害対策パネルを設置することが増えているそうです。脱着式・手動式ボタン式・自動式など、設置する箇所によって様々なタイプがあります。
では、実際に脱着式の水害対策パネルが設置されているピット式駐車場の水害対策パネルを脱着してみます。
アドバイス02
まず、水害対策パネルをはめ込むレール部分にゴミや砂などがないか確認を行い、保管場所から水害対策パネルを運び込みます。今回訪問した駐車場の水害対策パネルは全部で3枚、重さは1枚約16kgで幅約2.5m以上と足元に落下すると非常に危険なため、運ぶ際には十分に注意が必要です。
次に、水害対策パネルを左右の支柱にはめ込みます。その際、レール部分に足を置いていると、水害対策パネルとレール(赤色部分)の間に足を挟んでしまう恐れがありますのでご注意ください。
水害対策パネルは必ず水平に差し込んでください。水害対策パネルが斜めにはまってしまうと、錠をロックすることができません。また、水害対策パネルが斜めにはまってしまった場合は、無理に押し込まず、一旦持ち上げてはめ込み直してください。
水害対策パネル下部のゴムパッキンがレールの溝にきちんとはまっていることを確認し、左右の錠をロックすれば設置完了です。設置した水害対策パネルは周辺の安全が確認できるまで取り外しを行わないでください。
ちなみに、水害対策パネルを保管場所から運び、設置するまでを男性2名もしくは1名で行ったところ1枚あたりの設置時間は1分かかりませんでしたが、女性1名の場合、初めてということもあり、水害対策パネルをスムーズにはめ込めず1分以上かかりました。
アドバイス03
今回、浸水被害の軽減対策としてピット式駐車場の水害対策パネルの設置についてお伝えしましたが、台風が近づくと予想される場合、地下に駐車している車を地上に出して、安全な場所に避難させてから水害対策パネルを設置しましょう。また、大雨や強風時に1人で水害対策パネルを設置したり、駐車場を操作するのは大変危険です。何よりも身の安全を確保することを最優先としてください。
マンションによって設備は異なりますが、水害対策パネルの他にも避難ハッチやバルコニー隔て板、ガスの異常を検知し自動的にガスを遮断する機能、非常時に共用部分のドアを開放させることができるパニックオープン機能など様々な防災設備が設置されています。
普段の生活で使うことはありませんが、いざという時のためにも、お住まいのみなさまでマンションにどのような設備が備わっているかを確認し、防災対策マニュアルを作成しておくのも防災対策のひとつではないでしょうか。