冬になると暖房器具を使う機会が増え、空気も乾燥するので火事が起こりやすいと言われています。いつもはお部屋の中での対策をお話しておりますが、今回はマンションの共用部分についてお話したいと思います。
アドバイス01
マンションの共用部廊下などに『消火栓』と記された設備が設置されているのを見たことはありますか?見かけたことはあるけど中には何があるのか分からないし、触ったことがないという方がほとんどではないかと思います。
この設備は『屋内消火栓』と言い、屋内火災が起きた時に、中に格納している放水用具を火元近くまで移動させて、初期消火を行うためのものです。
消防隊員や管理員が操作する設備で住民のみなさまが触ってはいけないと思っている方が多いと思いますが、火災を発見した住民のみなさまも使えるよう、操作を容易にした設備です。(消防隊専用と記載された消火栓は、消防隊以外は使用できません。)
さて、この『屋内消火栓』ですが、1号消火栓、2号消火栓、易操作性1号消火栓などがあり、建物の種類や規模によって設置する種類が異なります。
簡単にご説明すると、1号消火栓は2人以上で扱う必要があり、2号消火栓、易操作性1号消火栓は1人でも使えるように設置されています。
※写真のようなステッカーが貼ってある消火栓がひとりで操作できる印です。
アドバイス02
今回は設置台数が多い、易操作性1号消火栓をご紹介いたします。
操作手順は
①消火栓の扉を開ける。
②ノズルを外してホースを取り出し消火栓開閉バルブを開きます。
③速やかにホースを延長し、ホースのノズル開閉弁(コック)を開き、火元に向かって放水します。
送水の際は思いのほか水圧の衝撃がかかります。
衝撃により転倒したり、ノズルを置いたまま送水したためホースが暴れだし体に当たって怪我をしたケースもあります。
消防署などで体験出来る場合もあるため、一度ご体験されても良いでしょう。
また、火の勢いが強すぎると判断した場合は決して無理をせず、避難しましょう。
扉の内側に操作方法が記されていますので、一度確認しておくといざという時に慌てず操作できます。
一番操作が簡単ですぐに使用できる消火器を含めたマンション内の消火設備の設置場所や操作方法について、この機会にご家族のみなさまで確認しておきましょう。
アドバイス03
また、排煙窓も住民のみなさま誰でも操作できる設備の一つです。
火災時に天井近くに滞留した煙を窓から逃がす設備となっており、ハンドル操作部の「押す」というボタンを押せば自動的に窓が開きます。
ただ、自然に煙を逃がす設備のため一時的な措置となります。開放後に煙が薄くなれば背を低くし、ハンカチなどで口を押えて急いで避難しましょう。
お住まいのマンションで消防訓練を実施する際には、最寄りの消防署に協力いただくなどし、正しい操作方法を学び住民のみなさんで大切な住宅を火災から守りましょう。