タイトル

いつも使っている設備や家電などが急に使えなくなってしまった…とよくお問い合わせを受けますが、故障だと思っていても実は設定が原因であったり、電池の交換時期だったりします。
最近ではメーカーのホームページで取扱説明書が閲覧できることで、冊子の取扱説明書がすぐに見つからなくても調べることもできるようになりました。
また、以前と同じような事象が起きたので対処方法を覚えていた、誰かが同じような事象を解決したと言っていた、取扱説明書も見たことがあるなど、原因や対処方法を覚えていると少しでも安心できると思います。

今回は、よくあるお問い合わせの中でも、地震が発生した後によくあるお問い合わせをご紹介したいと思います。取扱説明書の内容をすべて覚えておくのは大変ですが、『住まいるアドバイスで読んだことがある』と思い出していただき、日頃の行動にお役立ていただければ幸いです。

アドバイス01

コンセントの
ガス器具復帰は
操作の前に確認を

ガスメーター

まず、ガス設備についてです。一般的にガスメーターは、戸建では各敷地内に、マンションではメーターボックス内に設置されていますが、マンションによっては隣の住戸のガスメーターと並べて1箇所のメーターボックスに設置されていることもあります。
もし自宅のガスメーターを見たことがないかも、という場合は、一度確認しておきましょう。

ガスメーター

ガスメーターはガスの使用量を測ることが役割ですが、もうひとつ、地震の揺れやガスの供給圧力の異常などを感知して自動的にガスを止める役割があります。
ガスメーター付近に自動的にガスが止まった時の復帰操作の取扱説明書が付いていることもあり、復帰操作を知っているという方もいらっしゃいますが、復帰のタイミングや、復帰操作をする前に何か確認することはあるのでしょうか?

ガス器具

自動的にガスが止まった時は、ガス器具の栓を閉めたり、運転スイッチを切ってガス機器の使用をやめて、室内がガス臭くないか確認します(ガス臭い時は、静電気に気を付けながらすぐに窓や扉を開けます)。
マンション全体でガスが止まっている場合は、共用廊下や他の住戸がガス臭くないか確認してください。
止まった原因が分からない、復帰操作を行っても復帰できない、ガス臭い場合などは無理に復帰操作をせず、ガス業者へご連絡しましょう。
消し忘れなど長時間継続して使用すると自動的にガスが止まる場合もありますが、すぐにガス機器を使用せず、落ち着いて状況を確認しましょう。

アドバイス02

電気の復旧は
二次災害に気をつけて

感震ブレーカ

電気もガスと同じように、地震による停電後、電気が復旧した際に、倒れた暖房機器が通電した事でONとなり火元になるなどの、二次災害を防止するため、揺れを感知した後、主幹ブレーカを強制遮断し電源を止める感震ブレーカがあります。
お住まいのマンションや戸建により、感震ブレーカ(例:分電盤)の設置有無が異なりますので、感震ブレーカが設置されているか確認しましょう。
感震ブレーカの設置有無に関係なく、住居から離れて避難する場合は分電盤の主幹ブレーカが「OFF」になっていることを確認し、復旧する際は火災のおそれがないことを必ず確認してください。

アドバイス03

避難時、
エレベーターを使用しない

エレベーター

次に、マンションのエレベーターですが、地震感知器が揺れを感知すると、エレベーターは最寄り階に自動停止します。火災発生時は、火災報知機からの信号、または管理室等に設置の火災管制スイッチの入力を受け、エレベーターは避難階(通常は建物のエントランス階)に直行運転します。
地震時や火災時には使用できなくなりますが、故障で止まっている場合もあるので、避難には絶対に使用しないでください。異常がないと自動的に復旧する場合もありますが、大きな地震の場合は点検が必要となり復旧に時間がかかることもあります。

連絡装置

エレベーターの仕様はメーカーやマンションによって異なるため、災害時や非常時の運転、エレベーターかご内と外部が通話できる連絡装置がどこに設置されているのかなど、防災訓練とあわせて住人のみなさまで共有できていると安心です。
エレベーター以外でも共用部分は、災害時や非常時には通常と違う設定に切り替わったり、運転が停止する設備がありますので日頃から確認しておきましょう。

アドバイス04

開かない収納扉は
無理に開けない

耐震ラッチ

住戸内でも、吊戸棚などには、地震などの揺れを感知すると収納の扉をロックして、収納されたものの飛びだしを防ぐための、「耐震ラッチ」という金具があります。地震後、もしも開かない収納扉があった際は、耐震ラッチがロックされているかも知れませんので、無理に開けないようにしましょう(ロック解除方法は金具の種類によって異なります)。

このように、ある症状が発生した時や設定条件になった場合など、原因は故障ではないけれど、使えなくなることがあると覚えておいてください。
災害の後はお問い合わせ窓口の電話が混み合っていたり、繋がらない場合もありますので、住人のみなさまと情報を共有し、落ち着いて行動しましょう。