住まいに関するお問い合わせの際、様々な専門用語をよく耳にすると思います。似たような言葉でも意味が違ったりすることがありますので、今回はお問い合わせの多い言葉についてお話したいと思います。
アドバイス01
まず、「シーリング」と「コーキング」の違いですが、実は呼び方が違うだけでどちらも同じ作業のことです。目地や隙間等に材料を充填し、防水性や気密性を保持するために用いられるペースト状の材料を「シーリング材」や「コーキング材」と言います。
しかし、同じ作業でも補修する箇所によって「シーリング材」や「コーキング材」の種類を確認する必要があります。
例えば、浴室やキッチンまわりの隙間には耐水性に優れているシリコン系、クロスの継ぎ目の隙間にはアクリル樹脂系を使用したりします。室内外で環境も違うため、必ず材料に記載されている用途を確認しましょう。
アドバイス02
壁下部を守る役目と壁と床のすき間を隠すために、壁と床との境目に取付けられている帯状の内装材を巾木(はばき)と言い、床材によって使用する素材が異なります。
木製フローリングとあわせて使うことが多くい木製の「木巾木(左上写真)」と、クッションフロア床材とあわせて使うことが多い塩化ビニル素材の「ソフト巾木」があります。
「ソフト巾木(左下写真)」は耐水性があるため、トイレや洗面洗濯室に使われることが多い巾木です。
アドバイス03
次に、マンションの床(フローリング)を貼る工法として、主に「直床(じかゆか)工法」と「二重床(にじゅうゆか)工法」の2種類があります。
「直床工法」とは、裏側に遮音性能のあるクッションが貼られたフローリングを直接スラブ(※)に貼る工法です。また、床スラブに密着しているため配管類は床下を通せませんので、「直床工法」の場合は、水回り(洗面洗濯室や浴室等)のみ二重床工法とするのが一般的です。
※スラブとは、一般的に鉄筋コンクリート造の建築物において、床の荷重を支える構造床のことを指します。
また、「二重床工法」とは、「直床工法」とは違い、床スラブの上に防振ゴムでできた支柱を立てて、床を敷きその上にフローリングを貼る工法です。床スラブと床との間に空間ができ、配管類を通すことができるため、水回りの段差をなくしたり、リフォームをする際にも配管の位置を変えることができます。
工法によってお手入れ等が変わることはありませんが、修理やリフォーム等でフローリングを張り替える際には知っておくと良いかも知れません。
アドバイス04
「換気」については、お問い合わせが多く、「給気口(きゅうきこう)」、「排気口(はいきこう)」、「換気口(かんきこう)」、「吸込口(すいこみぐち)」、「吸気口(きゅうきこう)」、「通気口(つうきこう)」等、様々な用語があります。
一般的には外気(空気)を室内に取り込む口なのか、屋外へ空気を排出する口なのかによって分けられます。
総称して「換気口」や「通気口」と表現されることもあり、室内側に設置されているのか室外側に設定されているのかによって呼び方が違うこともあるので、名称を覚えておくよりも、各箇所に設置されている換気口がどのような役目をしているのか覚えておくと良いでしょう。
また、空気が流れるよう機械を使用して換気することを「機械換気」と言い、機械を使わない換気を「自然換気」と言います。住まいるアドバイスVol.3で24時間換気の基本についてお話しておりますので、是非ご覧ください。
最後に、今回お話いたしました言葉以外にもよく耳にすることがある言葉はたくさんあり、不具合の原因であったり補修方法について説明を聞いたけど意味が分からないままになってしまったり、聞きたいことが伝わらなかった、というお話をお聞きすることも少なくありません。そのようなことがないようにしっかりと言葉の意味を確認するように意識しましょう。