まず、「トラップ」ですが言葉を直訳すると、「罠」になります。
罠と言うと危険なイメージを持たれるかもしれませんが、水廻りに使用されている「トラップ」は水を溜めて、排水管からの臭気（下水臭）や虫等を室内へ侵入させないための仕掛けになります。
また、トラップから水が無くなることを封水切れと言い、封水切れが起こることで、室内へ排水管からの臭気（下水臭）や虫等が入る原因となります。封水切れの発生には様々な理由があり、普段の点検やお手入れで防ぐことが可能です。夏場など、気温の高い時には乾燥による封水切れの発生が多く、長期不在時などは注意が必要です。

この写真は洗面化粧台下のトラップです。排水管のU型の折れ曲がりに水が溜まって、臭気などが室内に入ることを防いでくれています。
トラップは室内で水が流れる場所全てに取り付けられていますが、室内にあるトラップの中で一番わかりやすいのはトイレです。便器内に溜まった水そのものが封水になり、便器自体がトラップの役目を果たしてくれています。

続いての写真はキッチン下のトラップです。キッチンも洗面化粧台同様に、トラップが設けられており、シンク下の扉を開けると確認することができます。最近のキッチンではディスポーザーが取り付けられている建物も増えていますが、その場合でもトラップは必ず設置されています。
※写真は一見トラップが無いように見えますが、ディスポーザーの裏側にトラップが設けてあり、臭気などを防いでくれています。

キッチンに装備されている食器洗い乾燥機は、庫内にトラップがあるため、トラップを確認することができません。食器洗い乾燥機を使用されていると封水が切れることはありませんが、長期間使用していなかったり、乾燥コースのみを運転しているとトラップ内の水が切れて臭気がする場合がありますが、使用されない場合でも月に１回程度、排水口にコップ1杯の水を入れることで封水が保たれます。
※機種によって排水口の位置が異なるため、取扱説明書をご確認ください。

次は浴室についてご説明いたします。浴室には洗い場に排水口が設けられており、水が流れていきます。床表面にある排水口カバーを開けて、ヘアキャッチャーの先の封水筒を取り外し、週に１回のペースでお手入れしましょう。
最近、浴槽の排水速度が遅い。また、浴室から異臭がする。そんな時は、清掃いただくことで改善される場合がありますので、この機会に一度取扱説明書をご確認いただきますようお願いいたします。

次に洗濯機用防水パンについてご説明いたします。洗濯機用防水パンは洗濯機の下になるため、お手入れを忘れがちになってしまいますが、近年のドラム式・乾燥機能付き洗濯機の普及により、封水切れやそれに伴う臭気の発生原因となる一番大切なトラップなのです。
こちらも、取扱説明書の中には、年に２～３回の定期清掃のご案内が記載されております。防水パンのトラップはワン型トラップと言って、お椀の形状をした水受けの中に水を溜めることにより、機能するため、ゴミなどが溜まってトラップが機能せず、封水切れが起こり異臭の発生原因になることがあります。清掃方法につきましては取扱説明書に記載された内容に沿って作業いただきますようお願いいたします。