タイトル

夏は日差しが強く、外気温も高いため、室温も高くなります。特にエアコンを使用しない室内の温度は30度を大幅に超えることも多くあり、雨天時の場合、エアコンを使用していても湿度は70%以上になることもあります。
今回は、高温多湿の室内で起こること、注意していただきたいことをお伝えします。

アドバイス01

室内の温度

タイル・シール

夏だけに起こることではありませんが、室温が高くなる時期は、人の動きや周囲の明るさ等を検知して自動的に点灯・消灯する「熱線センサ付自動スイッチ」が検知しなかったり、検知感度が鈍くなったりします。
※「熱線センサ付自動スイッチ」は、お部屋の間取りや設備によって、仕様や取り付け位置等が異なります。

バルコニー

「熱線センサ付自動スイッチ」のセンサは、人が通るだけで反応する動体検知ではなく、一定の温度変化分を検知するため、室温が体温に近い場合、温度差が小さくなり検知が鈍くなることがあります。
また逆に、エアコンの風やヒーター等急激な温度変化を検知した時や、風や木等揺れるものを検知した時など、人がいないのに動作する場合があります。
センサが働く周囲の照度や検知エリアの設定によっても、検知が鈍くなったり、人がいないのに動作する場合がありますが、故障ではありませんので、取扱説明書をご覧いただき設定を変更してみてください。

アドバイス02

室内の湿度

キッチン

次に湿度ですが、湿度と建材は密接な関係があります。例えば、湿度が高いとフローリング材の木が空気中の水分を吸収して膨張します。この膨張により、フローリングの板同士が圧迫され、相互に摩擦を生じることできしみ音が発生します。
また、湿度が低いと、フローリングの木は水分を失って収縮します。この収縮により、フローリングの接合部分に隙間ができ、歩行時の荷重によって板が動き、きしみ音が発生します。

お手入れ風景

フローリングだけではなく、湿度は壁紙にも影響を及ぼす可能性があります。湿度が高いとカビの発生を助長したり、壁材が湿ってしまうと、壁紙の接着力が弱まって浮いたり剥がれたりします。壁紙の色あせや変色を早める可能性もありますので、定期的な換気や除湿機を使用する等して、湿度を適切な範囲に保つことが大切です。

アドバイス03

高温多湿による影響

クレセントとハンドル

他にも、高温と多湿は、木製建具にも様々な不具合を引き起こす可能性があります。フローリングと同様に木製建具も湿度によって水分を吸収・放出する木の性質があるため、膨張や収縮を繰り返します。これを繰り返すと、木材が反ったり変形したりして、扉がうまく開閉しなくなったり、表面が割れたりすることがあります。
扉を長期間開けたままにしていたり、住んでいないため換気していない等がないよう、定期的にメンテナンスを行ってください。

クレセントとハンドル

高温多湿の環境は、虫害を引き起こす最適な条件であるため、カビが発生すると、それに伴ってカビを食べる虫(ダニ等)も増えます。虫の死骸やフンはハウスダストアレルギーの原因となり、健康にも影響を及ぼす可能性があります。
虫害を防ぐためには、温度と湿度の管理の他、室内を清潔に保ち、食材を適切に保管する等の対策が必要です。虫よけ剤を使用する等の予防対策も有効です。

クレセントとハンドル

また、クロゼット内が高温多湿になると、カビが発生しやすくなったり、衣類や革製品が湿気を吸収しカビ臭くなったり、色褪せや形が崩れたりする可能性があります。除湿剤を使用したり、定期的に扉を開けて換気をしましょう。
ただし、湿度が高い日に換気をすると、外部から湿った空気が室内に入り込んでしまい、結果的に室内の湿度がさらに上がる可能性がありますのでご注意ください。

24時間換気を運転していても、給排気口のフィルターが汚れて目詰まりし、正しく換気ができていないということがあります。住まいのアドバイスVol.3「ご存じですか?24時間換気の基本」でもお伝えしていますが、フィルターの汚れは定期的に確認し、お手入れもしくは交換しましょう。
このように、高温多湿の環境は、私たちの健康やお部屋に様々な影響を与えます。健康的で快適な暮らしを送るために、エアコンの適切な使用や定期的な換気等、日々のちょっとした工夫が適切な温度・湿度を保ちます。ぜひ、今日からお試しください!