寒さも日ごとに増し、今年も残すところわずかとなりました。
今年を振り返ってみると、消毒をする、うがいをする、マスクを着けることが今まで以上に大切なこととなり、普段の生活において当たり前に出来ていたことがむずかしくなったりと、本当に大変な1年だったと思います。
このような状況はまだまだ続きそうなので、これまで以上に気を付けてお過ごしください。
さて、今回の住まいのアドバイスですが、住戸内での火災の原因となる、コンセントのトラッキング現象についてお話したいと思います。
冬は火災が多いとよく言われますが、トラッキング現象は季節に関係なく発生するため、コンセントの抜き差しの際や、掃除の際にコンセントを確認するようにしましょう。
アドバイス01
コンセントのトラッキング現象とは、どんな現象でしょうか?あまり聞きなじみがないかもしれませんが、コンセントと家電製品側の電源プラグとのすき間にホコリが溜まり、そのホコリが結露や空気中の水分を吸収することが原因で漏電することを、コンセントのトラッキング現象と言い、どの家庭でも身近に起こりうる現象です。
また、コンセントと電源プラグの間に溜まったホコリが湿気を含むと、火花を出して放電しやすくなり、発火する可能性があります。ここで注意していただきたいのは、家電製品を使用していなくても電源プラグがコンセントに差さっていれば起こりうる現象ということです。
特に、冷蔵庫やテレビ、洗濯機など電源プラグを抜き差しせず、コンセントに差し込んだまま長年使い続けたり、家具などでコンセント部分が隠れてしまっている家電製品は、知らないうちにホコリが溜まりトラッキング現象を引き起こす危険性があります。
アドバイス02
その他にも、タコ足配線のような過剰な配線をしている場合も、重なっているコードの間にホコリが溜まりやすく、火災を引き起こす原因となりますので注意しましょう。
※タコ足配線は、容量オーバーで使用すると電源タップ本体やコードが発熱し、火災につながるおそれがあるので、必ず電源タップの容量と使用したい電気製品の容量を確認しましょう。
アドバイス03
トラッキング現象を防ぐためには、定期的に掃除をすることが一番です。定期的に家電製品側の電源プラグを抜き、乾いた布でホコリを取り除いてください。
または、ホームセンターなどで市販されているトラッキング防止商品を取り付けるのも有効な対策の一つです。電源プラグに付ける安全カバーやタイトラキャップと呼ばれるものがあります。これらを取り付けることによりホコリが溜まっても発火が起こりにくくなります。
普段抜き差しすることが少ないコンセントは、年末の大掃除の際にホコリが溜まっていないか確認しましょう。
ホコリが溜まって故障の原因となるのは、トラッキング現象だけではありません。過去の住まいるアドバイスでもお伝えしましたが、各居室の給気口、洗面洗濯室やトイレの天井吸込口、レンジフード連動型給気口、浴室暖房乾燥機にはフィルターが付いています。汚れやホコリが溜まると結露水に混じり壁に垂れて汚れたり、フィルターが目詰まりし設備機器の故障の原因や換気が十分に行えなくなります。
※給排気口のお手入れについては、Vol.03、Vol.23をご参考ください。
正しく換気を行うためにも、フィルターのお手入れは大切です。フィルターを外す際はホコリが舞い上がることがありますので、マスクと手袋を着けてお手入れしましょう。
以前より、お手入れや点検の頻度が増えたというお声も伺っております。これからも住まいに関する記事をお届けいたしますので、過去の記事もあわせてご参考いただけると嬉しいです。
では、寒い日が続きますが、みなさまもお体ご自愛くださいませ。