タイトル

住まいのアドバイスVol.47「よく聞く言葉だけど…」でもお話しましたが、住まいに関するお問い合わせの際に、様々な専門用語があったり、似たような言葉でも違う意味の言葉はまだまだ沢山あります。今回はその第2弾をお伝えします。

アドバイス01

「塩ビタイル」と
「塩ビシート」

バルコニーなどの共用部や専有部の洗面洗濯室やトイレの床に使用されることが多い、「塩ビタイル」や「塩ビシート」は、製品形状の違いです。その名が示すとおり、塩ビタイルはタイル形状であり、塩ビシートはシート形状のものを言います。
※塩ビとは、「塩化ビニル樹脂」または「ポリ塩化ビニル」の略称です。

タイル・シール

まず、塩ビ『タイル』と『シート』についてですが、形状が違うことにより、特徴やメリットが異なります。塩ビタイルは、加工性が高くカッターなどで簡単に切断できるため、場所の形状に合せて細かく貼って行くことができます。塩ビシートは、シート形状となっているため大きな面積でも効率的に貼ることができます。
最近では、自分で貼り替える「DIY」が人気なので、もしご検討されている場合は、参考にしてください。

バルコニー

また、塩ビシートで「長尺シート」や「CF(クッションフロア)シート」という言葉を耳にすることがあります。これはどちらも塩ビを素材とする床材になります。
「長尺シート」はフローリングに比べると耐久性に優れている反面、表面が硬くクッション性はありません。その分、衝撃に強く傷が付きにくい特徴があるため、マンションの共用廊下やバルコニーなど耐久性が必要とされる箇所に使われています。
「CFシート」は塩ビシートのうち、中間層に柔らかな発泡性の素材を張り付けたもの。表面が硬い長尺シートと異なり、クッション性があって表面が柔らかいのが特徴です。そのため、素足で歩いても足腰に負担が少なく室内の洗面洗濯室やトイレの床材として使用されることが多いのですが、その反面、物を落とした時に床材が凹んでしまうことがあります。

アドバイス02

「人造大理石」と
「人工大理石」の違い

キッチン

次に、システムキッチンや洗面化粧台に使われていることが多い、「人造大理石」と「人工大理石」は、それぞれ成分や性質が違います。
「人造大理石」は天然大理石を粉砕してセメントや樹脂で固めた人工素材のことを言い、「人工大理石」はアクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分とした人工素材を使用し、天然石の成分は含まれていません。

「人造大理石」は、仕上げに研磨作業が必要となるため浴槽などの複雑な形には適していないので、キッチンのカウンターや壁材、床材などの板状の製品として使われています。
「人工大理石」は、様々な形に加工したり、着色性に優れているため浴槽などによく使われていますが、「人造大理石」に比べると柔らかく、傷つきやすいので、研磨剤入りのタワシやクレンザーを使用する場合はお気を付けください。

お手入れ風景

「人造大理石」と「人工大理石」の定義は、実ははっきりしていないため、各メーカーによって呼び名が違っていたり、汚れが付着した時のお手入れ方法が異なることがあります。また、同じ商品であっても色味によってお手入れ方法が異なる場合がありますので、必ず素材の確認と使用する洗剤等の注意事項を確認しましょう。

アドバイス03

「ハンドル」と
「クレセント」

クレセントとハンドル

最後に、サッシに関するお問い合わせ時によく聞く、「ハンドル」と「クレセント」という部品の名称について。どちらも同じ部品と思っていたり、「ハンドル」の中に「クレセント」という部品があると思われることがあります。 
「クレセント」はサッシの召し合わせ部等に取り付ける錠金具のことです。開閉するための補助として使う「ハンドル」とは異なります(一体型の商品もあります)。また、実際どこに使われている部品なのか分からないというお声もいただいています。

このように住まいに関する用語は、修理のご依頼や部品を購入する際に必要となります。
今後も住まいるアドバイスでは、間違えやすい言葉や、ご質問の多い部品等をご紹介してまいります。