排水は、各住戸内のキッチン・浴室・洗面洗濯室・トイレ等の排水管から、マンション共用部分の排水管に繋がり排水されます。室内の各所排水口を定期的にお手入れしていても、排水管内には時間の経過とともに水垢やゴミ、油脂等が溜まって詰まりや異臭の原因となってしまいます。
また、排水管が詰まると異臭の発生だけではなく、逆流や階下に漏水する等、他の入居者にも影響する可能性があります。いつもより流れにくい、流れているが水位が下がるまでに時間がかかる等の症状がみられる場合は注意が必要です。

このようなトラブルを未然に防ぐために、ご自身で排水口まわりをお手入れしていただくことももちろん大切ですが、マンションでは管理会社より年１回（お住まいのマンションによって異なる場合があります）、排水管の点検・洗浄を実施しています。この点検・洗浄は、共用部分の排水管も実施します。
マンション全体で実施するため、日にちを調整するのが難しいこともあるかもしれませんが、定期的な排水管洗浄は、詰まりや異臭の予防の他、排水管の寿命を延ばす効果もありますので、排水管の点検・洗浄のお知らせがあった際には、必ず点検・洗浄を受けてください。

また、トイレにトイレットペーパーを大量に使用してしまった等、突然詰まりが発生してしまうことがあります。トイレが詰まると慌ててしまい、無理に棒等でつついてさらに詰まってしまうことも。
詰まっている物にもよりますが、ラバーカップ（通水カップ・ぼんてん等）という道具を使うと解消される場合があります。ラバーカップは排水口に押し付け、引き上げる時の吸引力で詰まりを解消しますが、数回繰り返しても解消されない場合は、管理会社や水回りの修理業者へご相談ください。

キッチンにディスポーザが設置されている場合も注意が必要です。ディスポーザは水を流しながら使用しますが、流す水の量が少なかったり、水を流さないで運転していると、粉砕した生ごみが排水管等に付着して詰まる場合があります。この場合も、トイレと同様にラバーカップ（キッチン用のもの）を使用すると解消されることがあります。
ディスポーザが設置されているマンションでは、取扱説明書を確認の上必ず定期的にお手入れをし、粉砕できる物や流してはいけない物にご注意ください。ディスポーザの汚れをそのままにしていると故障等の原因となります。

排水口から異臭がする時は、排水管の詰まりの可能性があるとお伝えしましたが、住まいるアドバイスVol.48「お住まいのトラップと排水について」の記事でご案内しました、「封水切れ」による異臭の場合もあります。
長期にわたり水回りを使用しなかった場合等、臭いを遮断するためにトラップに溜めている水が蒸発してなくなってしまうことがあるので、その場合は排水口にコップ２～３杯の水を入れてください。また、使用していても蒸発量が多い夏場は水がなくなることもあります。
もし、水回りから下水のような臭いがした時は、まずは「封水切れ」を起こしていないか確認しましょう。